SN Design Architects

佐野さんのハードルは高かかった。
まったくOKをいただけないので、これはもうわたくしの力不足……「もう、返すもの返すんで、他の人に頼んでください〜ッ！」と、サジを、セットポジションから全力で振りかぶって投げそうになったのが、昨年末。

感情的にならないよう、極めてロジカルに説明してきたんだけどな、と自分でも評価できるくらいなんだけど、完膚なきまでに手応えがなかった。でも、どうせ無に返すんなら、ダメ元で言いたいこと正直に伝えておこっか、と思い留まり、最後に包み隠さず本音をぶつけてみた。

そこから事態は急変し好転しと紆余曲折があり……。大晦日、わたくしはテレビから『松本、アウト〜』の声が響く中、ウェブサイトの最終調整をしこしこと進めることになる。
サイトはめでたく元日に公開された。
二つの意味で、あけましておめでとうございます。
本当によかった。

その後、佐野さんは、ブログの更新を寸分の狂いもなく進めている。これはきっと彼の本業での仕事ぶりを体現していることなのではなかろうか。と思う。

さて。
料理に喩えると、ウェブサイトは器である。コンテンツは料理。
どんなに美味しい料理でも、盛られた器がしょぼかったらお客は離れてしまうし、いくら美しい皿で出されたところで、味が酷ければ、これ、また然り。
まだまだわたくしの規模では、綺麗でつかいやすい器をつくってあげるのが精一杯である。絶品料理のレシピまで手取り足取り教えてあげたいというのが本音だが、頭と身体と資本が足りない。……うずうず。でも無理。けっこう無理。

それに、ご存じの通り『美味しさ』という感覚はとてもムズい。一筋縄ではいかない。だから、ひとまずそれは委ねるしかない。がんばってくれ。天からみなさんの料理を見守っている、たまに味見しながら。

一方、水田は水田でとりあえず、水田にしか焼けない皿を追究するのみといったところか……。おもろいのを焼きたい。持ってる人が自慢できるようなやつ。

そういえば。そうだった。昔から「職人になりたい」って周りに言ってた。んんんん。『職人』が『町のウェブデザイン屋さん』になるのか……大丈夫か。